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VIENNA ENSEMBLE PROは、Win/Macともに対応した、オールインワンソリューションです。
主な用途は、
① 1台のPC内で、DAWと併用し、CPU処理を分散させてより効率の良い作業を行うこと
② 複数台(シリアルコードが3つ用意されているので、最大4台/マスター1台・スレーブ3台)のPCをギガビットのEthenetで接続し、サードパーティ製VST/AUプラグインのホスティング、32bit・64bitの完全サポート
など現状の音楽制作上で支障になりうる問題点を一気に解消することが可能です。
今日、PCの日進月歩なOSの進展や、ProTools・Logic Proの64bit固定化などに伴い、お持ちのソフトプラグインがいきなり使えなくなった!なんてことも多々あるはずです。ここでは、そういった状況下で悩まれている皆さんに、Vienna Ensemble Pro(以後、VEP)を用いたトラック制作とその魅力を少しでも伝えられるように、簡単なセットアップから、インサート時のルーティング等をご案内したいと思います。
ではまず1台のPC内でRTASに対応していないソフト音源を、VEPを使って、Protools上に立ち上げてみましょう。ソフトは、BEST SERVICEの「Real Guitar」を使います。このソフトは、現在AUとVSTにしか対応していません。
最初に、アプリケーション内のVienna Ensemble Pro Server 64bit(プラグインが32bit対応の場合は、32bitのServerを立ち上げます。)を起動します。
すると、デスクトップ画面にサーバーが登場します。
次に、Protools上でインストゥルメントトラックを立ち上げ、VEPを選択します。そうすると、VEP SERVER INTERFACE(スタンドアロンで立ち上げたSERVERと通信するためのプラグイン)
が出てきます。始めはステータスがオレンジ色で「NOT CONNECT」となっていますので、最下のCONNECTボタンを押します。
次にINTERFACE上に待機しているSERVERが現れるので、こいつを選択して、CONNECTを押してあげましょう。
あとは、SERVER上のAdd a new plug-in(画面左下)で、Music LabのReal Guitarを選択すればバッチリ呼び起こされます。もちろん、DAWのトラックへ直接MIDIパターンのドラック&ドロップも可能です(PCが複数台の場合はできません)。MIDI learnやC.Cのコントロールも通常通り行えます。
↓Stylusもこの通り。
例えばAMGのKick Ass BrassやIk Multimedia Sampletank等、32bitのプラグインを使用されたい場合は、32bit版の Vienna ensemble pro SERVERでホスティングします。VEPでは、32版と64bit版が同時に使用できますので、ご安心ください。
では、2台のケーブルをEthenet繋いだ場合です。
まず始めに、Vienna Keyは、スレイブのコンピューター(VIenna SERVERをスタンドアローンで立ち上げる方)にのみ接続します。マスターのPCには、VEPのインストールだけしていれば問題ありません。
※ちなみに、2台のPCのネットワークのIPアドレスを近接番号に設定する必要はありません。
万一、相互認識がうまくいかない場合は、インストールされているVEPのバージョンが同じであるか確認してください。違うバージョン同士だと認識しません。
次に、スレーブの方でSERVERをスタンドアローンで立ち上げ、マスター側のDAWで、VEPのプラグインを起こします。あとは、先ほどと同じように、SERVER側で任意のインストゥルメントを選んであげれば完了です。作成したトラックのFX部分に、サードパーティーのエフェクトプラグインも使用することも出来ます。
同様に、オーディオトラックにVEPをアサインして、エフェクトをかけることも可能ですが、その場合のルーティングがやや特殊なので、ここで少しご案内します。
まずオーディオトラックだけでは、インサートにVEPをアサインできません。VEPを使用する時は、必ず始めにインストゥルメントトラックでVEPプラグインを立ち上げ、SERVERとコネクトしておく必要があります。
SERVERとコネクトしたら、次にオーディオトラックのインサートでVEP Audio Inputをアサインします。するとInput AssignのGUIが現れるので、最下の「ASSIGN」ボタンを押し、待機しているSERVERを選択して再度ASSIGNします。
後は、スレーブ側のミキサーで、INPUTトラックのINを1・2に設定してあげるれば完了です。この方法で作業すれば、どんなプラグインでも使用できることは言うまでもありません。
また、時間をかけて作ったこれらのトラックをきちんと保存しておくことも大切です。VEPはそういった配慮も抜かりありません。スレーブ画面上にある「Präserve instance」のボタンを押すと、ホストアプリケーション(DAW側)との切断を解除してもロードしたサンプルをキープすることができます。
これにより、ホストアプリケーション側でサンプルのリロードを行うことなく、プロジェクトごとにファイルを切り替えられるので、非常に早くて効率の良い作業に結びつきます。
最後に、VIENNA INSTRUMENTSや、KONTAKT PLYAER、 SPECTRA SONICSなどのマルチティンバーを使用されたい場合は、ミキサートラック右下の「+」ボタンを押してチャンネルを増やします。
この方法で、各トラックのオーディオシグナルを個別にホストへ返すことが出来るようになります。ただし、各音源のインターフェイス内でのチャンネル割当も必要になるので、気をつけてください。
現状の音源制作システムにおいて、CPU負荷の高い音源はやっぱり不安!!というのは拭えません。そんなあなたには絶対にVEP!!DAWのCPU処理は間違いなく安定します。
また、今までPCを買い替える度に煩わしかったソフトのインストールやり直しも必要ありません。むしろ、古いPCを完全に音源ストレージとして使えるチャンスです。
加えて、32bitや64bitの制限も払拭されます。使いたいプラグインの規格に併せて、32bitまたは64bitのSERVER立ち上げるだけでいいのです。Protools 11やLogic Pro 64bitでも、安心して思う存分にプラグインを使ってみてください。
Rock oN Company店頭では、2台のPCによるVienna Ensemble Proのホスティングをご覧いただくことも可能です。Vienna製品と合わせての試奏や、CPU処理、バッファサイズによるレイテンシの違いなども実際に試していただけます。
是非ご活用下さいませ。VIENNA関連製品のお問合せは私 コンチェルト佐々井まで!
Rock oN Company 渋谷店:03-3477-1756 12時〜20時 定休なし
記事内に掲載されている価格は 2015年1月21日 時点での価格となります。
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