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YAB
ミキシングエンジニア / プロデューサー
「にじさんじ」をはじめとするバーチャルライバーや、ネットシーンを中心に活躍するアーティストのレコーディング・ミキシング・マスタリング・楽曲プロデュースを数多く手掛けている。 配信が主となった現代、1回でも多く再生されるためにアーティストのキャラクター性やファン層に合わせた柔軟なサウンドメイクを最も重要視しており、近年はミキシングだ けではなく楽曲提供、CMソング制作、ボイスドラマ制作等、専門学校での特別講師など幅広く活動している。また、これからの時代は映像と音の両方が出来る人材が求められると考えており、ライブ映像や地上波番組のノンリニア編集もマルチにこなしている。
所属会社 : 株式会社キューカンバー
公式サイト : https://www.yabstudio.net/
Twitter : https://twitter.com/omganl
YAB様はこれまで、どんなモニタースピーカーを使ってこられましたか?
また、現在使っていますか?
10代の頃は、ONKYOの音が好きで使っていました。
それからプライベートではKRK ROKIT5 、GENELEC6010、8020、NS-10Mなどを経て、現在はNeumannのKH 310をモニターとして使っています。
勤めていた会社ではほぼオールGENELECで、それこそラージからスモールまで色々と使ってきました。
KH 310は、初めて試聴したときに「これは!」とビビっと来たのがキッカケで導入を決めました。
YAB様がモニタースピーカーに求めることは何ですか?
私がスピーカーに求めるのは、低域の再生能力と解像度の高さ、それからもちろんフラットな特性、正確性はもちろんのこと、特に主役になることが多いボーカルの掴みやすさを重視しています。
KH 310に辿り着く前は部屋のサイズを考えて少し小さめのモニターで作業していたのですが、ライブミキシングの際に低域を正確にコントロール出来ず、悩んでいたところにこのスピーカーを見つけました。
KH 310は現在私が求めること全てを完璧にこなしてくれる最高のモニターです。
Neumann KH 310の感想をお聞かせください。
密閉型で締まった低域はモニターしやすく、すごく低音が出るなぁと思っていたら34Hzまで再生されるということで、初めてスペック表を見たときは驚きました。
ミッドレンジドライバの解像度も非常に高いと感じます。ボーカルやギターなどメインとなるセクションの編集すると、変化が手にとるようにわかります。ツイーターは高域も全くと言っていいほど歪まず、高い音圧レベルでもきちんと再生してくれるので信頼度は高いです。
また、音量の大小に関わらずバランスや印象が大きく変わらないので、どんな曲やスタイルでも作業をする際に正確なモニターが出来るというのは特筆すべき点だと思います。これは素晴らしい調整がなされているなと感じました。
全体のサウンドでいうと、フラットな特性ではありつつも豊かでキレのある低域、クリアで浮かび上がってくるような中域、余計な派手さはなく正確さと剛健さを感じる高域…といった印象でしょうか。
スピーカー自体が横置き専用なので、ツイーターの位置がちょうどいいところに来るんですよね。本当にこれはありがたいです。
“私のプライベートスタジオに置く”ということに関してのサイズ的な問題になりますが、低域をここまで再生してくれて問題なくデスクに乗り、リスニングポジションの範囲が広く、なおかつモニターとして高い水準で再生してくれるスピーカーは他にないのではないでしょうか。
また、KH 120やKH 80とも聴き比べましたが、この2つも恐ろしいほどの完成度でした。
“Neumannってマイクだけじゃなくてスピーカーもこのクオリティで出してくるんだ…” と度肝を抜かれた覚えがあります。
KH 310はどんな人にオススメしますか?
特にポストプロダクションなど、ナレーションを多く扱ったり、水平方向にリスニングポジションが広い特性を利用してクライアントにもきちんと音を届けたいスタジオへオススメしたいです。
ペアで60万円以上するのは恐らく個人宅だと中々難しいと思うのですが、遮音と吸音をしっかりとしている部屋であればこちらもオススメ出来ます。ちょうど私のプライベートスタジオがそのような形ですね。
もちろん本当は広い部屋でガンガン鳴らせるスタジオがオススメなんですけど(笑)
純粋にサウンドのみでいうと、歌モノを多く扱う方、POPSや現代的なサウンドを多く扱う方にオススメしたいです。
歪への強さと低域の正確さはマスタリングスタジオなんかでも力を発揮するのではないでしょうか。
ここからは余談なのですが、私は元々KH 310を試聴する前、GENELECのより大きなモニターを買うつもりでいました。
もちろんGENELECはずっと色んなスタジオで使っていますので音は知っていたのですが、KH 310を試聴した瞬間 一目惚れならぬ一聴惚れをしてしまい、即座に購入を決めたものです。
当時の私のように新たなモニターをお探しの全ての方へ、ぜひ一度ご試聴してみていただきたいです。
記事内に掲載されている価格は 2021年10月27日 時点での価格となります。
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