つい先日のAES 2014にて最新OZONE6の発表を行ったiZotope社より、お馴染みSales Manager Zac Kenny氏(写真中央)に加え、Show Reportでもお馴染みプロダクトスペシャリストのMatt Murray氏(写真右)、そして今回初来日となったBusiness Development ManagerのScott Simon氏(写真左)をお迎えしOZONE6の世界初プレビューイベントを控え、その開発ヒストリーを伺った。
・ 明確なタスクを処理するためのプロダクト開発コンセプト
今作でVersion6となるOzoneシリーズはiZotope社において最大のセールスを現在も記録しているプラグインソフトウェアとなる。2001年iZotope初期のOZONE1発表以降、世界50カ国で愛用されている。同社自体も創設10周年以上、スタッフも85人と大きな成長過程にあることがわかる。(昨年は49人だった点からも急成長ぶりが伺える)
Zac氏曰く、その成長を支えているのが明確なタスク処理のためのToolを作るという同社プラグインの開発コンセプトだ。Ozoneはマスタリングという作業における複合型プロセッサー、そのほかレストレーションのRXをはじめ、Music Production / Post Production / Audio for Video / Live Sound Reinforcement / Music Performance Effect & Instruments / DJといったカテゴリーに発生しうる各種タスクを解決する事が同社プラグインのコンセプトとなっている。
そしてもう一つ成長を支えている要素がある。各種タスクにおいてインテリジェンスかつ効果的なプラグイン開発を可能にする人材の確保だ。BOSTONに本社を構えるiZotope社において『技術』と『音楽』を両面からサポートするのが言わずと知れた『MIT(マサチューセッツ工科大学)』とバークレーの存在だ。それはまさに教育的見地における音楽の中心地と言える。技術的に優れた人材と音楽的素養に優れた人材を豊富かつ同時に確保出来ることが同社の発展を力強く支えているのだ。
・βテスター行動監視に及ぶマーケティング手法
急成長を続ける社内において、プロダクトの開発はスペシャリスト毎に要素技術で細分化されている。1セクションで構成されるチームにおいても各種専門分野のスペシャリストがチームを作るため、Zac氏ですらどのようなスタッフが今会社に何人いるのかはもうわからないという。同社RX4が3からわずか1年でリリースされた経緯などからも製品開発スピードにおいても同社ならではの秘訣があるのではとの質問にScott氏が応えてくれた。
同社プロダクトにおいてRXが1年、Ozoneも2年とスピーディな印象を持ってしまうかもしれないが、実はINSIGHTのように開発に10年を費やしたプロダクトも存在しているなど、開発がスピーディであることより製品がコンセプトに忠実で価値のあるものになっているかを同社は最重用視している。中でもそれを判断するために、同社プラグインにおいて各社同様Bテスターなどを行うが、そのインターフェースにおいてテスターがまず何に触れたか、どのように扱うかなどどいった行動順まで監視を行っていた。結果として、多くのユーザーが製品機能の20%程度しか扱いきれていないことがわかり、今回リリースされるOZONE6では、インターフェースデザインにおける博士号資格者を招き、ユーザーにとって扱いやすいインターフェースとは何かを2年の月日をかけて完全に一新したという。この後のセミナーアーカイブで登場するOZONE6は機能だけでなく、是非ユーザーインターフェースがもたらす作業効率の改善にも注目いただきたい。
・プロダクトスペシャリストMatt氏による世界最速OZONE6プレビュー
では早速プロダクトスペシャリストであるMatt氏によるOZONE6プレビューをご覧戴きたい。中でも注目してほしいのは、多くのユーザーがマキシマイザーを中心に活用していると思うが、EQのプロセッシングからステレオイメージまで、論理的な解析を交えながらも実に直感的なコントロールが可能になっている。先述のインターフェースがもたらす時間的効率は計り知れないだろう。特に機能を使いこなせなかったユーザーにとって今回のアップデートは必須と言っても過言ではない。そしてスタンドアローンでの動作、またユーザーにとってオープンなワークフローを提供するサードパーティプラグインのインサートも見逃せない。
第二部ではレストレーション最新作RX4も登場。編集が切りすぎてしまったAudio Fileが繋がらなかったり、異なるバックグラウンドノイズの結合など魔法のような新技術は大幅に業務作業効率を改善するだろう。
『The Over Technology』~最新OZONE 6 、 RX4が導くトラッキングの未来~ セミナーアーカイブ是非最後までご覧ください
第一部:『The Over Technology:OZONE 6』
第二部:『The Over Technology:RX4』
記事内に掲載されている価格は 2014年10月24日 時点での価格となります。
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