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31
May.2021
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マイクプリ NEUMANN V 402 ~レコーディングエンジニア Gregory Germain によるファーストインプレッション~

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グレゴリさんが考える、レコーディング時におけるマイクプリアンプの重要性について教えてください。

Gregory Germain氏 (以下 グレゴリ、敬称略):

僕にとってレコーディングにおける最も重要なツールはマイクです。まずは正しいマイク、そして適切なマイクの位置はとても大事です。ただ、マイクの音量を増幅するにはどうしてもプリアンプが必要です。そこの組み合わせがかなり重要で、このマイクはこのプリアンプと相性がいいとか、このジャンルやこの楽器ならこのプリアンプがいいなど。

ある意味レコーディングが絵描きであるとするなら、マイクが筆の役割であって、プリアンプの役割は色です。まれに全く相性が合わないプリアンプとマイクの組み合わせがあるとしても、魔法のようにマッチングする時もあり、エンジニアの仕事はそれを見つけることです。それぞれのレコーディング状況によって、頭の中に幾つかのコンビネーションを作る事がとても重要だと思いますので、それぞれのプリアンプの特徴を理解した上でマイクを選ぶことが重要ですね。

vocal

プリアンプのチェック、リスニングに参加して頂いた
シンガーソングライター、Furukawa Sarahさん
HP:https://www.sarah-music.jp/
Profile:https://www.sarah-music.jp/about
Instagram:https://www.instagram.com/sarah_furukawa/?hl=ja

グレゴリさんがマイクプリアンプに求める条件を教えて下さい。



グレゴリ:まずはやはり、どのマイクと相性がいいのか判断します。その他はどの目的でそれを録音するのかが条件です。とてもクリーンな感じの音が欲しいなら、どちらかというとプリアンプの音を聞くよりマイクの音を聞きたいから癖のないプリアンプを選びます。
逆にプリアンプに色付けを求めて、マイクにはないプラスアルファの何かを求めるならそっち系のプリアンプを選びます。例えば飽和感を求めるなら NeumannのマイクからNeveの1073か1066へ。とても透明感のある生楽器を録音したいならコンデンサーマイクとクリーンなプリアンプ。歌でボディーがちょっと足りない女性か男性ボーカルなら、マイクで拾えないミッドレンジをプリアンプでカバーしたりします。

desk

Cry Baby Studio

普段はどんなマイクプリアンプ製品をお使いですか? それらの使用用途、選択理由を教えてください。


preamp

グレゴリ:

Clean系プリアンプ
Pueblo Audio、Millenia、Sym Proceed、Grace Design

生楽器の録音で映画のサントラ、アコースティック系の音楽、ジャズまたはドラムでトランジェントをしっかり守りたい時



Color系プリアンプ
Neve 1073、1066、1081、API全般、Rupert Neve (Portico)

こちらはキャラクターを出したい時、ドラム、シンセ、パンチ、ボーカルの場合は太さなど



Ribbon系プリアンプ
AEA RPQ2

リボンマイクのインピーダンスがかなりトリッキーなので、リボン専用のプリアンプとして使いますが、ダイナミックでも合う時があります

NEUMANN V 402

v402-1

V 402 : デュアル・チャンネル・マイク・プリアンプ

DI入力と高級ヘッドホンアンプを搭載した最先端のマイクプリアンプ


  • すべてのノイマンマイクを完璧に補完する最先端デュアル・チャンネル・トランスレス・マイクプリアンプ
  • 非常に高いインピーダンスを持つ2つのスタジオ品質のインストゥルメント入力
  • 切替可能なローカットにより、信号を劣化させることなくランブルを除去
  • 極めてクリーンなスタジオ品質のヘッドフォンアンプ
  • 各チャンネルの音量調整が可能なイージー・モニタリング・ミックス
  • ドイツでのハンドメイド生産

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マイクロフォンの真の性能を引き出す

V 402は、スタジオグレードのヘッドフォンアンプを内蔵した最先端のデュアルチャンネルマイクプリアンプです。トランスレス回路は、最大の透明度と音の純度を目指して設計されています。このようにV 402は、声や楽器の真の個性を引き出すために、すべてのノイマン・マイクを完璧に補完します。

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パーフェクトマッチ

V 402はノイマン初のスタンドアロン型マイクヘッドアンプです。ノイマンは1980年代の伝説的なV 476 Bのように、ミキシングコンソール用の最高品質のプリアンプモジュールを何世代にもわたって開発してきました。その間、技術は進化してきましたが根本的な問題は残ったままでした。ノイマンをはじめとする高品質なスタジオマイクに最適なプリアンプは何か?ノイマンのマイクはすべて、クラシックなものから現行モデルまで、非常にユニークなサウンド特性を持っています。そのため、V 402プリアンプはマイクの音像の完全性を維持するように設計されています。どのようなゲイン設定であっても、何かを足したり引いたりといったことはいたしません。完璧にすることもできません。

ナチュラル・スプレンダー

V 402は、最高度のリニアリティと音の純度を目指して設計されています。マイク信号を不要な色付けやノイズや歪みなどの音のアーチファクトなしに増幅します。最近では、安価なプリアンプでさえも「リニア」や「ニュートラル」を謳っていますが、それらのプリアンプは繊細さや音のディテールを欠いていることが多く、特に高いゲイン設定では出力信号に「鈍さ」や「不純さ」が見えてしまいます。Neumannの名にふさわしいプリアンプを開発するためには、広範囲にわたる一連の測定とクリティカルなリスニングテストを経て、入念な開発プロセスが必要でした。V 402は、元の信号を細部まで再現し、本来の色を輝かせています。

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DI入力も音の純度を高めるために設計されており、エレキギターやベースギターをはじめ、他の楽器のサウンドを色付けやディテールの損失なく捉えます。洗練された回路と非常に高い入力インピーダンスにより、可聴ノイズのない鮮やかなサウンドを実現しています。

切り替え可能な20 dBパッドにより、V 402は28 dBuまでのハイレベル・ソースにも歪みなく使用することができます。ハイパス機能は、信号を劣化させることなくポップやランブルを除去するように慎重に設計されています。

モニタリングを容易にするため、V 402にはスタジオグレードのヘッドフォンアンプが搭載されています。録音段階での優れたモニタリング品質を実現します。各チャンネルの独立したボリューム・コントロールにより、録音された信号に影響を与えることなく、レイテンシーのないモニタリング・ミックスを設定することができます。

Neumann V 402をお使いいただいた印象をお聞かせください。



v402

グレゴリ:第一印象は太い感じですね。こんな太くていいのか?ミッドレンジがしっかりしていてとてもレンジが広い。またゲインはかなり大きくて、おそらくどんなマイクのインピーダンスでも対応できると思います。Neumannマイクとの組み合わせは、今まで聞いたプリアンプの中で一番良かったです。ただ、先ほどのリストにあるColor系プリアンプと違ってクリーンな印象もありますので、ちょうどその間にいる感じです。真空管のプリアンプではないですが、真空管を通ったような感じがして、不思議な雰囲気ですがとても良かったです。ヘッドホンアンプがプリアンプに付いてるのがかなり珍しくて、最初はうまく理解できなかったんですが、確かにそのプリアンプの後、コンプやインサートで入っているEQを聞きたくない場合、単純にプリアンプから出ているマイクの音だけを聞けるクリティカルリスニングが良かったです。

Neumann V 402はどのような用途(レコーディングソース)に効果を発揮しそうでしょうか?

listening

グレゴリ:ミッドレンジがすごく見えやすくなって、それぞれの楽器の最も重要な音色の部分がしっかり聞こえているような感じがします。マイキングがとてもしやすくなりますし、どのマイクがどのソースに合っているのかがすぐわかります。

Neumann V 402と相性がいいマイクはありますか?

mics

グレゴリ:
Neumann U 47 Tube (ビンテージ)
Neumann M 49、またはそのクローン (Fleaなど)
Chandler REDD
AKG C12
リボンマイクとは全体的に相性が良いです

Neumann V 402をどんなユーザーにお勧めしますか?


グレゴリ:ステレオでどんなシチュエーション(ピアノ、アンサンブル系の楽器)でも使えるプリアンプですが、色々なプリアンプを使ったことがあって、クリーンと癖のあるプリアンプの中間を探してる人や、ボーカルレコーディングでビンテージのNeumannマイクをよく使う人にお勧めです。

Gregory-Profile

Gregory Germain

ミキシング/レコーディングエンジニア

レコーディング・エンジニアになるべくパリから来日し、専門学校卒業後スタジオグリーンバードを経てDigz Inc, Groupに入社。2021年より独立しSonic Synergies Engineeringを設立。バンドものからR&BまでのJポップ、Kポップなど多岐にわたって活躍中。

https://www.gregory-germain.com/

NEUMANN
V 402
¥430,100
本体価格:¥391,000
6452ポイント還元


mailmagazine_tube

記事内に掲載されている価格は 2021年5月31日 時点での価格となります。

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