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19
Feb.2021
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マイクプリ NEUMANN V 402 ~レコーディングエンジニア 森元浩二によるファーストインプレッション~

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プリアンプを選ぶ際に大切なことは何ですか?

森元浩二氏(以下敬称略):マイクロフォンのダイアフラムによる微弱な発電電気を最初に何百倍も増幅するのがプリアンプですから、そこが良くないと最後まで取り戻すことが出来ないので間違いは許されません。例えとしては安いカメラで撮った写真はその後どんな処理をしても良くはならないのと同じです。プリアンプは音源により向き不向きもあるので、色々な機種の音色を記憶しておき、後悔のないチョイスをすることが大切です。

プリアンプとマイクの組み合わせにおいて、大切なことはありますか?



森元:アンプにより得意なゲイン範囲があります。またインピーダンスの相性でも音色が変わります。リボンマイクはゲインが小さいので、高ゲインが得意なプリアンプ。U 87 Aiなど最近のマイクはゲインが大きいので、低ゲインでも硬い音色にならないものを組み合わせます。

pre-amp

普段よく使われるプリアンプは何がありますか? また、その製品をチョイスされた理由をお聞かせください。


森元:JH M-2、AMEK 9098EQ、NEVE 1081、1073、FOCUSRITE ISA 115。

JH M-2 ➡️ 小音量から大音量まで周波数特性の変化の少ないリニアな音
AMEK 9098EQ、FOCUSRITE ISA 115 ➡️ 歪の少ない密度の濃いクリアな音
NEVE 1081 ➡️ ABクラスアンプの歪み感は少し多いが存在感のある音
NEVE 1073 ➡️ Aクラスアンプの柔らかい太い音

v-402

マイクプリ NEUMANN V 402 の見た目、デザイン、操作端子などについて、ファーストインプレッションをおきかせください。



森元:ズシッと重い筐体で、各ツマミの操作感も適度な重みもあり信頼感があります。ボタン類は少し奥まったボタンのスイッチで、間違って操作することがありません。

サウンドのファーストインプレッションをおきかせください。

森元:とにかくトランジェントの速い音です。速い音というと、細い音を想像してしまいますが、V 402は速いのにローエンドまで詰まった密度の濃い、なおかつクリーンな音色です。またマイクから距離が離れた音色でも輪郭がボケることなく、耳で聞いている音像に近い音が録れます。

NEUMANN V 402

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V 402 : デュアル・チャンネル・マイク・プリアンプ

DI入力と高級ヘッドホンアンプを搭載した最先端のマイクプリアンプ


  • すべてのノイマンマイクを完璧に補完する最先端デュアル・チャンネル・トランスレス・マイクプリアンプ
  • 非常に高いインピーダンスを持つ2つのスタジオ品質のインストゥルメント入力
  • 切替可能なローカットにより、信号を劣化させることなくランブルを除去
  • 極めてクリーンなスタジオ品質のヘッドフォンアンプ
  • 各チャンネルの音量調整が可能なイージー・モニタリング・ミックス
  • ドイツでのハンドメイド生産

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マイクロフォンの真の性能を引き出す

V 402は、スタジオグレードのヘッドフォンアンプを内蔵した最先端のデュアルチャンネルマイクプリアンプです。トランスレス回路は、最大の透明度と音の純度を目指して設計されています。このようにV 402は、声や楽器の真の個性を引き出すために、すべてのノイマン・マイクを完璧に補完します。

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パーフェクトマッチ

V 402はノイマン初のスタンドアロン型マイクヘッドアンプです。ノイマンは1980年代の伝説的なV 476 Bのように、ミキシングコンソール用の最高品質のプリアンプモジュールを何世代にもわたって開発してきました。その間、技術は進化してきましたが根本的な問題は残ったままでした。ノイマンをはじめとする高品質なスタジオマイクに最適なプリアンプは何か?ノイマンのマイクはすべて、クラシックなものから現行モデルまで、非常にユニークなサウンド特性を持っています。そのため、V 402プリアンプはマイクの音像の完全性を維持するように設計されています。どのようなゲイン設定であっても、何かを足したり引いたりといったことはいたしません。完璧にすることもできません。

ナチュラル・スプレンダー

V 402は、最高度のリニアリティと音の純度を目指して設計されています。マイク信号を不要な色付けやノイズや歪みなどの音のアーチファクトなしに増幅します。最近では、安価なプリアンプでさえも「リニア」や「ニュートラル」を謳っていますが、それらのプリアンプは繊細さや音のディテールを欠いていることが多く、特に高いゲイン設定では出力信号に「鈍さ」や「不純さ」が見えてしまいます。Neumannの名にふさわしいプリアンプを開発するためには、広範囲にわたる一連の測定とクリティカルなリスニングテストを経て、入念な開発プロセスが必要でした。V 402は、元の信号を細部まで再現し、本来の色を輝かせています。

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DI入力も音の純度を高めるために設計されており、エレキギターやベースギターをはじめ、他の楽器のサウンドを色付けやディテールの損失なく捉えます。洗練された回路と非常に高い入力インピーダンスにより、可聴ノイズのない鮮やかなサウンドを実現しています。

切り替え可能な20 dBパッドにより、V 402は28 dBuまでのハイレベル・ソースにも歪みなく使用することができます。ハイパス機能は、信号を劣化させることなくポップやランブルを除去するように慎重に設計されています。

モニタリングを容易にするため、V 402にはスタジオグレードのヘッドフォンアンプが搭載されています。録音段階での優れたモニタリング品質を実現します。各チャンネルの独立したボリューム・コントロールにより、録音された信号に影響を与えることなく、レイテンシーのないモニタリング・ミックスを設定することができます。

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NEUMANN V 402 はどのような用途に最適だと思いますか?

森元:空間を捉えるのが得意なので、ストリングスのルームマイクのプリアンプとして。DPA 4006との組み合わせで使いましたが、これまでで一番いい音が録れました。またトランジェントが速いので、子音が重要な日本語の歌にも合っています。太い音を録りたいと遅めのプリアンプを選択する人も多いと思いますが、太さは後処理で歪を足すなどで補えますが、トランジェントを後処理で足すのは難しいです。後処理の融通が効く密度の濃いクリーンな音を録れるV 402は何に使ってもいいと思います。 

どのようなシーンで使いたいと思いますか?

森元:ストリングスのルームマイクには絶対に使いたいです。これまで、ストリングスのルームマイクは何種類も立て、それを混ぜて音像を作っていましたが、V 402で録音したステレオワンポイントはそれだけで必要なものがすべて録られていて、余計なことをしなくても、ミックスの中で存在感のあるストリングスが録れました。空間の距離感の表現力があるので、すべてのルームマイクにV 402を使いたいです。

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そのほかV 402について、なにかあればご自由にお聞かせください。
森元:ノイマンというと、アナログレコードのカッティングマシーンやビンテージの真空管マイクU 47、U 67が有名なので、古いアナログ感のある温かい音を想像しましたが、全く違う最新のスピード感のある音色でした。どの帯域もしっかりと密度があるので、何に使ってもいい結果を残す万能なプリアンプだと思います。

NEUMANN
V 402
¥430,100
本体価格:¥391,000
6452ポイント還元


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記事内に掲載されている価格は 2021年2月19日 時点での価格となります。

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