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2016年3月から福岡、大阪、名古屋、札幌、東京と全国5都市で、バーチャル・シンガー「初音ミク」による初めての日本ライブ・ツアー、HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour が開催され、今回はツアーの最終公演の地である、東京・Zepp Tokyoの2日間4公演の内、4月9日土曜日の午前の部にRock oN Webスタッフが参加した。
冠となっている「HATSUNE MIKU EXPO」は「初音ミク」の世界ツアーとなっており、2014年5月のインドネシア・ジャカルタでの開催を皮切りに、 同年10月にアメリカのロサンゼルス・ニューヨーク、2015年6月に中国・上海と各地で実施されてきました。
今回会場となったZepp Tokyoはお台場のヴィーナスフォート等の並びにあるのですが、なんかこう隙間に造られたような佇まいである。
その収容人数は3000人弱、当然のごとく前回のマジカルミライの会場である武道館よりかなり小さいと感じながら、今回は2階席後ろの立ち見スペースで参加した。
会場で言えばほぼ一番後ろということになりますが、武道館よりもはるかに近く見え、舞台までの距離は1/3ぐらいに縮まったのでは無いかと思うほど近く、非常に満足度は高かった。
舞台は半分ほどの大きさになってしまったのですが、先に書いた通り近い分、スクリーンのサイズ感はそんなに変わっていない。というか、最前列の人は近すぎるんじゃないかと思うぐらい近い。スクリーンまで2〜3mほどだと思われますが、あそこからの見え方はどんなだろうか・・・。
舞台幅の関係上か3人同時に舞台に上がることはありませんでしたが、2人まで踊る分には余裕もあり、またその距離感から各キャラクターとも大きく見える為、細かい動作もはっきりと見て取れ、大きく分かりやすい動きをしていたマジカルミライよりも、派手で早いダンスとパフォーマンスが多かった。そして、それにより余計に会場が盛り上がっていると感じた。
今回もライブに先行して発売されているオフィシャルCDがあり、これを中心にライヴが進むため、先に聴きこんでいると会場で曲にノレてとても気持ち良い。MIKU EXPOはこれまで海外展開されてきたこともあり、CD収録曲・ライヴ楽曲にも英語の歌詞で歌われているものがあるのが他のライヴとの違いだろう。
本ライブのテーマソングは、大人気Pの八王子Pの楽曲「Blue Star feat. 初音ミク」となっている。
さらに、『MIKU EXPO楽曲コンテスト』として楽曲オーディションの中から選ばれた曲「Ten Thousand Stars(by CircusP)」がツアーで歌われるなど、本プロジェクトがファンと共に歩み、制限無く広く進化していく雰囲気が感じられた。
ライブは「ワールドイズマイン」から始まり、早口系楽曲からバラードまで幅広く、ファンが分かりやすい楽曲が選曲されていたと思う。
VOCALOIDファミリーである鏡音リン・鏡音レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKOの曲も含め26曲が披露され、今回はちゃんとオフィシャルCDを聴きこんでいたこともあり、筆者だと全体で6〜7割ぐらいの曲はサビぐらいは口ずさむことができた。
ライブパフォーマンスは初めから最後まで当然のごとくキレッキレである。
時にゆっくり艶かしく、時に激しく全身で表現するそのパフォーマンスと、ときおり入るコミカル&キュートな仕草が会場全体を魅了し、初音ミク・ワールドに引き込んでいく。
さらに、楽曲とともに変化し楽しめる、それはもう数々の衣装と演出。
楽曲ごとに衣装があると言っても過言ではないその数々は可愛い系、元気系、ゴシック系と多岐にわたり、その全ての服の質感や自然な動きの振る舞いがとてもリアルで、目を離すことができない。ちなみに、曲間はあれども、メイク待ち、衣装チェンジ待ちはないので、テンポ良く曲が流れ進んでいくのは本ライブだからこそであろう。
圧巻だったのは早口系楽曲の「初音ミクの消失」「初音ミクの激唱」。「初音ミクの激唱」はその衣装、演出、雰囲気も相まって、非常に神々しくあったものの、その勢いとまさに息をもつかせぬほどの早歌いは初音ミクにしか表現できない曲である。ライブハウスのあの音量・音圧の中で聴くとこれまで感じたことの無い何か突き抜けた感じのハイテンションになったのを覚えている。
アンコールも含めたオーラスに流れたのは「星のカケラ」。
Official CDにも収録されているが、ピアノ弾き語りの曲である。
熱々に盛り上がった気持ちが、程よくクールダウンされ、気持ちの良い心地よい温かなテンションの中、ライブは閉演を迎えた。
HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour SET LIST
さて、そんなこんなで少しの寂しさを感じながら会場を後にし、なんとなく感じていたひっかかりに気づいた。
オーラスに流れた「星のカケラ」をすんなり受け入れていたのは上記の通りであるが、この曲、途中にはアカペラで歌う部分がある曲である。しかし、昔なら感じていたVOCALOIDならではの違和感は感じない。だからと言って生々しすぎるというような感じもなく、気持ちの良いただただ普通に初音ミクの素晴らしい歌唱だ。
このなんとなく感じた「ひっかかり」が気になったので、人間のアーティストが歌う同じような曲と聴き比べてみると、ほんのり感じるVOCALOID感が・・・他の楽曲も同じである。
すんなり受け入れ、気持ち良く聞いている自分を客観的に見て気づいた事、「これが初音ミク(VOCALOID)の歌い方で、これが歌い手としての個性であると。」一人の歌手の歌い方として、常識的に受け入れているという結論に至りました。
今、ライブに来て同じく熱狂していた方々も同じなのではないでしょうか。むしろ、「何を当たり前なことを今更〜」と言われるに違いありません。
以前、実際に曲を作っている方に話を聞いた時には、「いかに人間らしく歌わせる派」と「VOCALOIDらしさを生かす派」が存在していると聞いたことがあります。どちらがどうか、というものではなく、それだけの幅のある歌手である・・・と、曲によって歌い分ける広さのある歌手としての初音ミクの魅力になっているのだと思います。
最後にもうひとつ気づいた事を。
「ライブは2回以上参加しよう。」
1回目(マジカルミライ)も割り切って「おもいっきり楽しもう」と意気込んで参加させて頂いたのですが、自分の場合、どうしても見栄え的な面、雰囲気的な面、技術的な面で「実際はどうなんだろう」「どうなってるんだろう」と気になりソワソワしてしまいました。そうすると、いろいろ確認するたび、熱く盛り上がってきたところで変に冷静になってしまったりして、どうしても不完全燃焼気味に。
しかし、2回目(MIKU EXPO)ではそれがほぼ解消されていて、ライブに集中でき、倍以上楽しむ事ができました。
好きなアーティストであればあるほど、そういう部分が気になるものだと思いますが、1回参加して同じような感じになってしまった方は、是非とももう一度参加してみると前回感じられなかった魅力を体験することができるのではないでしょうか。
まぁ、たった1回でも参加すればハマること請け合いですが。
Writer. Toshima
記事内に掲載されている価格は 2016年4月22日 時点での価格となります。
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