NEUMANN V 402
速水さん考える「レコーディング時におけるマイクプリアンプの重要性」について教えてください。
速水直樹氏 (以下 敬称略):どんなに高性能なマイクでも、その性能を発揮するにはプリアンプが必要です。そのプリが貧弱なパフォーマンスしかできなければ、まともな収録はできません。マイクでピックアップした音を、イメージに限りなく近ずけるための重要なツールです。昨今多くなったコンソールレスなスタジオ環境ではイコライザーが不足していることが多く、マイクの種類、マイキング、ヘッドアンプで欲しい音を決めなければなりません。そうした中、ヘッドアンプのキャラクターは音を決定づける大切なポイントだと思います。
速水さんがマイクプリアンプに求める条件を教えて下さい。
速水:マイクで拾った情報量を如何に多く記録できるか。原音に忠実な再生ができているか、あるいはイメージに近い音色になっているか。また、ファンタム電源がきちんと作られているかというのも気になります。ハイパスフィルターやフェイズ切り替えの機能などもあって欲しい。
普段はどんなマイクプリアンプ製品をお使いですか? それらの使用用途、選択理由を教えてください。
速水:Vintech x73 :
全般的に使いますが、そもそもの明るい音色に足してEQできるので特にドラム周りによく使います。
Chandler TG2 :
ほどよく倍音がつくのか厚みと抜けが出るので、センター定位したいメインパート、ヴォーカルやギターソロに。
AEA RPQ :
AEAがリボンマイク用に開発したものですが、他のマイクにも好んで使います、トランスレスらしいクリアさが気に入っています。ハイファイを意識したいときに選びます。
Neumann V 402をお使いいただいた印象をお聞かせください。
速水:一言、「リアル!」音源とマイクの距離感や、どんな部屋で録音したかすら伝わってくるような解像度の高さがあるとおもいました。仕上がったサウンドは、まるで目の前で楽器が鳴っているような生々しさを伝えてくれます。ハイパスの60Hzというのも、今まであまり目にしたことのないポイントですが実に丁度いい。キーボードでステレオDIとしても使ってみましたが、全く問題なくとても便利。
Neumann V 402はどのような用途(レコーディングソース)に効果を発揮しそうでしょうか?
速水:雑味のないクリアなサウンドは、数多のアコーステイックに向くと思います。
小さな音にも存在感があるので、ステレオ・ワンポイントでの収録などにもってこいなのではないでしょうか(ヘッドフォンでのチェックもできますし)。
今回はバウンダリーマイクによるピアノ収録や、ギターの弾き語りなどで使ってみましたがどれも好印象でした。
Neumann V 402と相性がいいマイクはありますか?
速水:自社マイクの性能を遺憾なく云々と能書きにあった通り、ノイマン製品は間違い無いようです(笑)
残念ながらV 402をチェックしたスタジオにはU 87 Aiしかなかったので他の検証ができませんでしたが、確かに良かった。
よくU 87でヴォーカル録音などしていると、時折中低域に重たさを感じることがあったのですが、V 402とではそういった感触は気づきませんでした。
Neumann V 402をどんなユーザーにお勧めしますか?
速水:クリアな質感を求めている方。x73のような明るさや、TGのような太さ、トランスの出すいい意味での訛りではなく、純粋なサウンドを求めている向きには満足できるのではないでしょうか。
記事内に掲載されている価格は 2021年8月31日 時点での価格となります。
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