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06
Oct.2017
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「個性を出すMixへの最短距離」 〜ユーザースキルに応じ姿を変える究極のアシスタント〜

SOUND_Syukakusai

芸術の秋にRock oNが全ての人の制作をサポートする『SOUND 収穫祭』の第2弾は プロダクト深層世界。Rock oNスタッフがプロダクトに深〜く迫ります!

1:技術とワークフローの関係性

07従来ハードウェアが担った制作ワークフローの再現、その役割を超えるソフトウェア技術の進化。とりわけユーザーワークフローに大きく踏み込む提案型ソフトウェアの台頭は技術の進化を感じさせてくれます。

そのようなインテリジェンス機能の事例を少しあげれば、新進気鋭のDAW『Waveform』などが顕著です。独自のパターン・ジェネレーター機能がコード展開を作成し、ベースラインやメロディを自動生成するなど強力な楽曲制作支援機能を搭載し、ユーザーのワークフローへ強く提案を行います。

そして昨年大ヒットを記録したiZotope Neutron1では各トラック素材を相互解析するマスキングメーター、そしてダイナミクスとEQ処理を自動で行うMix Assistant機能が大きな話題を呼びました。

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もちろん実際にはこれらの動作は一般的なAIではなく、まだスクリプト反応と呼ぶべき段階ですが、ソフトウェアとユーザーワークフローの関係性は確実に進化を遂げています。

その中でも2017年10月同時発売となった最新「OZONE8」「NEUTRON2」は2種のプラグイン同士が相互連携し、MixとMasteringの橋渡しを行う画期的コンセプトのプロダクト。

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後の項で技術的な魅力を紹介する前に特筆したいのは、多くのソフトウェアにおけるインテリジェンス機能の多くが『初心者を支援する』位置付けだったのに対し、iZotopeの新製品が持つ『インテリジェンス』は玄人が使う場合と初心者が扱う場合で姿を変え、それぞれにおいて最も効率的に働いてくれる懐の深さがあります。では早速その中身を紐解いていきましょう。

※基本的な製品SPECやパッケージラインナップはこちらの記事を参照ください。
http://www.miroc.co.jp/now_on_sale/171005-izotope/

リファレンスとする周波数バランスに最短距離で到達させる

今回のアップデートにおけるSPEC的な進化は公開中の記事を参照いただくとして、今回特筆したいポイントは以下の3点

  • 1:OZONE8にマスタリング特化したインテリジェンス機能 MASTER ASSISTANT の搭載
  • 2:NEUTRON1ではアシスト対象外だった『GAINとPAN』操作を補佐するビジュアルミキサーの搭載
  • 3:OZONE8とNEUTRON2を統合し1ウィンドウからアクセスするTONAL BARANCEプラグイン

1 :OZONE 8 MASTER ASSISTANT の搭載

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まずはOzone8で新搭載されたMaster Assistant。

まずOzone8をマスタートラックにインサートしたあとユーザーが最初に取る選択肢は3つ
a:Master Assistantに解析調整を任せる
b:あらかじめ用意されたプリセットを使う
c:魅力的な各モジュールを自由に組み合わせ手動調整する

ここで1のAssistantボタンを押すとStremingかCDか、ターゲットとするデータを選択した後にオーディオ解析が始まります。
その後周波数バランス補正と低域ダイナミクス調整、マキシマイザーの透明性を改善するDynamic EQ調整、マキシマイザーのスレッショルド設定、マキシマイザーの周波数帯域ごとのGain調整などがわずか数秒で解析され、選んだターゲット、信号チェーン、プロセッサー設定の推奨する2mixサウンドへ自動調整されます。そこから手動で個性をつけるも良し、最初からプリセットを使うも良しです。
従来のAB切替に加え、リファレンスセットアップも(standalone含め)10トラック分まで本体にセットアップ可能です。 (こちらはOzoneプリセットの選択画面)

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過去のNeutron、RXを含め、今回の自動処理の中でも行われている『周波数解析からのアプローチ』はIzotopeの技術的なテーマとなっており、今回のOZONE8でモジュール搭載されている『Spectral Shaper』モジュールは特に2mixにおける耳障りな周波数の平滑化が実に簡単に行え、Assitant自動処理においても重要な役割を担っています。

画面の通り、選択した特定周波数帯域だけの試聴も可能で、問題となる周波数を特定したらスレッショルドの値を調整するだけで耳障りなハイハットの響きだけを限定して抑えるなど、実にシンプルで効果は劇的。

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このSpectral SHAPERの原型となった研究は、Ozone7で最初にリリースされたiZotopeのMaximizerアルゴリズム『IRC IV』で、2mix上で最大ピークを生成している周波数帯域を検出、ピークが存在する場合にのみ、周波数領域でコンプレッションを動作させるものです。具体的には全体周波数に対し32bandでの自動ダイナミクス処理を行う、Spectralベースの高精細マルチバンドコンプと言えます。

その後FREEプラグインNeutrinoにより、4つのモードと2ノブというシンプルな形で実装&配布、ユーザー検証されていたのです。Spectral Shaperにより、入力信号を分析しスレッショルドを自動調整、必要な帯域のみで限定的に動作させることにより干渉を抑制。

2mixにおけるマルチバンドプロセスは操作を誤れば上記の干渉問題が表面化するため、半分の16band操作でも技術が問われる領域であることから、Spectram Shaperが自動で行う32bandプロセッシングはOzone8が持つテクノロジーの恩恵を特に感じられる箇所といえますね。(当のOzone自体は非常にサラッとこなしてしまってますが。。。)

2 :NEUTRON 2『ビジュアルミキサー』の搭載

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2つ目のポイントはNeutron2の進化です。

Neutronというソフトウェアの革新性は今更説明不要ですが、各オーディオトラックに挿したNeutronプラグイン上でTrack Assistantを起動するだけで、各オーディオトラックの『周波数とダイナミクス処理』を自動調整。さらに複数トラックで信号を共有解析し『マスキングメーター』機能で周波数の干渉を可視化。補正の際に本体内のInverse Linkスイッチを入れておけば干渉対象の片方をEQブーストした際にもう片方が減少するなど、Mixにおける『音作りとは異なる課題事項解消』を素早く解決することができます。
NeutronもOzone同様にユーザーが最初に取る選択肢は3つ。

a:Mix Assistantに解析調整を任せる
b:あらかじめ用意されたプリセットを使う
c:自身でモジュールを自由に組み合わせ手動調整する

Neutron2でMix Assistantを動かす場合、各オーディオトラック調整の方向性についてキャラクター(WarmやBarance)、Intensity(強調具合の高低)などを設定することが可能です。(Neutron1同様に楽曲の冒頭から最後まで解析しているわけではないので、ダイナミクスレンジの広いトラックでは最も音量の大きい箇所で解析を走らせるのがオススメです)

まさにエンジニアがトラックに個性を吹き込む前の『下処理』をしてくれるアシスタント的働きが魅力なのですが、唯一GainとPanに関してはユーザー側でのミキサーコントロールが必要でした。

経験豊富なクリエイターにとってはここまででも十二分のプラグイン機能だと思いますが、個人のクリエイターやミュージシャンが簡潔にMixを行うことを考慮し、今回新機能『Visual Mixer』が搭載。縦軸がGain、横軸がPanとして、各トラックの音像コントロールを1画面上だけで直感的に操作が可能となっています。さらに横に広げることで音像の広がりまでも視覚的なコントロールが可能。全てのトラックにNeutronを起動する必要はなく、新機能のMix Tapにより、各オーディオトラックをビジュアルミキサーや後述のTonalバランス内にも組み込むことも可能です。(Mix TapによりCPU負荷を軽減しつつ組み込みが可能)

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3 :OZONE8とNEUTRON2を統合し1ウィンドウからアクセスするTONAL BARANCE

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3つめは本作がミックス/マスタリングの橋渡しというべき『Tonal Barance』プラグインです。

ターゲットとする周波数バランス(任意のカーブも保存可能)に対し、アナライザーが現在の周波数分布を表示してくれるのはもちろんですが、今回のポイントはアナライズをしたまま、下段にマスターのOzoneや各トラックのNeutronのEQ設定を一覧から選択し表示、Tonal Baranceから1画面だけで全体周波数バランスと共に比較修正できるようになっています。

またTonal Barance左上部分に表示されているCrest Factor機能では低域処理の状況を表しており、ダイナミクスが広すぎるか(左)、もしくは圧縮しすぎているか(右)をメーターでリアルタイムに表示します。

またOzone8自体を呼び出し、Spectral Shaperを併用することでGainをコントロールしたままのバランス補正をしたり、Neutron自体を呼び出しマスキングメーターの結果から再調整をかけたり、相互間のシームレスなワークフローを提供し、望むリファレンスへの到達点を示してくれます。

自身がリファレンスとする周波数バランスに最短距離で持っていく能力、O8N2はまさに『究極のアシスタント』と言えるでしょう。
多くのユーザーはそこを出発点として、自分好みの個性を出す作業だけに集中をすれば良いのですから。

技術ファーストにならない組織力

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今回Neutron、Ozoneが見せた進化の形は、昨年Neutronの先進的な機能が世間を騒がせた際に多くのユーザーが描いた期待と予想を超えるものと言えます。

02Neutron1が発売後に一般的に言われたことは『この結果は素晴らしくBetterであるがBestではない』でした。この時安直な私は、私にとってBestになるために、『著名なエンジニアによるプリセットの充実』『UADのような実機再現モジュールの充実』などを後述する同社プロダクトスペシャリストのジョナサン氏に望んでしまったのですが、iZotopeは千差万別の個性などに着目するのではなく、『個性を出す作業の一歩手前までいかに素早く仕上げるか』を磨き上げる事で、万人に受けるワークフローの劇的な進化を遂げています。

それでいながら初心者を支援するようなAssistantの簡便さや機能向上、Visual Mixerの搭載など、ユーザーがプロエンジニアであっても、もしくは初めてDAW制作を始めたユーザーであっても確実に機能するようWレーンでデザインされています。これはとても驚くべきことです。

以前iZotope本社インタビューで、リサーチマネージャーのアーロン氏も語っていた通り、iZotopeには開発から完全に独立したリサーチ部門が存在しています。圧倒的にテクノロジーファーストになってもおかしくない魅力的な製品でありながら、このようなバランス感覚を失わないのは、開発とマーケティングが対等に意見交換ができるパワーバランスが保たれているからに他なりません。

12そして日本のカスタマーにもお馴染みのマスタリングエンジニア『ジョナサン』氏によるエデュケーションサイドも重要なファクターと言えます。(iZotope本社のHPでは製品How Toをサウンド体験を交えて学べる非常に充実したコンテンツがあります)

バークリーでマスタリング講義も行う彼が、パーソナルなユーザー作業を肌で感じ、プロダクトスペシャリストとして、開発及びリサーチの分野で働きかけを行っている事は、今回のテーマとした『技術と人の関係』において重要なファクターとなっていることは間違いないでしょう。

2018年は、さらなる展開が待つ…!

iZotopeのソフトウェア技術を応用したハードウェアが出たらどんな物が出来るのか。来年にはその一端に触れることが出来るかもしれません。
2017年9月に発表されたiZotopeハードウェアレコーダー、その名も『Spire』。

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(※CEOマーク氏、初夏に日本でミーティングをした際にNHKサラメシの取材を受けたとお話しを伺いました。放送見た方いたら今度教えてください!)

日本国内での発売は2018年になる見込みとのことだが、iZotopeが誇る解析技術、ユーザーフレンドリーな機能とデザイン、そしてGraceDesign社が開発しているマイクプリアンプ搭載というコラボレーションも興味深い。

コンセプトとしては、自宅やスタジオにこれ1台を置くだけで、内臓マイク&オーディオ入力でレコーディング。各トラック演奏をOzoneやRXなどで培ったSpectramプロセッシングを応用し、本体DSPでプロセッシング後、iOS端末にオーディオデータを送ってくれるという優れもの。

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録音自体は内臓のメモリー内で行われており、プロセッシングの内容調整もiOS側から非常に簡単なGUI操作で行うことができる。現時点でわかっている情報ではハードウェアサンプリングレートは44.1kHzのようだが、レコーディングを楽しむユーザーターゲットが明確だからこそハイサンプリングレートは不要と判断した結果でしょう。こちらも今後のアップデート情報から目が離せない。


元々現CEOであるマーク氏がMIT在籍時に、当時衣食住のためとパーソナルなミュージシャンのためにリリースされた初代OZONE。ついに2017年バージョン8を迎え、会社組織もここ数年で驚異的な急成長を遂げている。「数学と音楽の幸せな結婚」と言うべきiZotopeブランドがどのような未来を描くのかが今は楽しみでならない。

Writer スティービー竹本

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